『リラックマとカオルさん』感想。自己肯定感を高めつつ、気持ちが楽になるアニメ
皆さん、こんにちわ! なゆきです。アニメ『リラックマとカオルさん』を視聴したので、本作を見て良かった点をまとめてみました!
どんな作品か一言で説明すると『カオルさんとリラックマ達の日常生活』といった所でしょうか。普段は会社員として働くカオルさん。そのカオルさんと共に暮らすリラックマ・コリラックマ・キイロイトリ。そんな彼らの優しくもリアルな物語が紡がれていきます。
<こんな作品>
- コマ撮りアニメーション
- 1話が約10分弱と見やすく、1話1ヶ月で進行(全13話)
- 主な登場人物はリラックマ、コリラックマ、キイロイトリ、カオルさん(声:多部未華子)
- 現代の日本を舞台にした、ほんのり苦くて優しい物語
『リラックマとカオルさん』の見どころ
苦さもあるけど、本質的には前向きなストーリー
リラックマのゆるい空気感のおかげか、ほのぼのした日常系のアニメなのかと想像していました。
実際に内容を見てみると、辛い現実的な部分も描かれた作品なんですよね~。主にカオルさんがその現実の部分を背負っています。
例えば、周囲は結婚や仕事の成功などで変化していくのに対して、カオルさんは変われずにいる。そんな置いてけぼりにされたような孤独感を漠然と抱えていたりします。
私自身も感じたことがある気持ちなので、とても他人事には思えない(笑)
ただ、そんな重い部分も描きつつも、実は前向きなお話だよなぁと思ったわけです。
なぜそんな感想を持ったか考えてみました。カオルさんにとっては嫌な出来事が起きているのに、話の最後には少し気持ちが軽くなるワケ。
それはやっぱりリラックマの存在が大きいのではないでしょうか!
何となくリラックマは「そんなに悩まないで、美味しいものでも食べようぜ」と言ってくれてるような気がするんですよね(※私の勝手な解釈です。そしてリラックマは本作ではお喋りしません)。
上手く出来てるなと思ったのが、『カオルさん、悩みをリラックマ達に打ち明ける⇒リラックマ達、黙って話に耳を傾ける⇒カオルさんが自分を少しだけ受け入れる』という話の流れがありまして。
リラックマ達との交流を通して、カオルさんの中に少しずつ変化が表れてるように見えるのです。
つまり本作は『自分に価値がないと思い込んで生きて来たカオルさんが、自己肯定感を高めていく物語』(※個人的な解釈)。 成長物語のように劇的に変わる事はないのですが、ポジティブな経験・ネガティブな経験を経て、少しずつ自分を認めていくようになるんですよね。
自分の悪い部分も受け入れて生きていく。
そう考えると、めちゃくちゃ前向きなお話に見えてきますよね~。チクッと胸が痛くなる場面もありましたが、嫌だと思う経験もして気づけることってあると思うのです。
リラックマに出会う前と後では、けっこうカオルさんも違うように感じます。試行錯誤しつつ人生をより良くしようという気概を感じるようになってました。
あと個人的に思ったのが、作品のイメージが「変化」だということ。
『季節の移り変わり』や、『壊れる』『捨てる』『消える』などもありました。
全部ネガティブな言葉に思えますが(笑)、今まで変わらずに守っていたものを捨てて、新しい価値観を取り入れてみようという風にも感じられます。
共感を呼ぶ『カオルさん』という人物
<カオルさんの特徴>
- 優しい
- 真面目
- 決めることが苦手
- 自己評価が低い
本作の主人公であるカオルさん。私が本作に興味を持ったのも、実はカオルさんのエピソードが気になったからなのです。さまざまな苦難をカオルさんがどう受け止めていくのか。とても気になるポイントでした。
カオルさんが抱えている孤独感や悩み、不安。形はそれぞれ違うけど、誰もが抱いたことのある思いではないでしょうか。
今の自分に釈然としない思いがありながらも、変わることが出来ない。そんな自分に「駄目だなぁ…」とため息をついてしまう。私も何度も経験があります。
自分を否定しがちなカオルさんですが、良いところもたくさんあるんですよ! 料理が得意だし、物を大切に扱っているのも好印象です。
仕事で疲れてるだろうに、帰宅後に嫌な顔一つせずリラックマ達の食事を用意していてめっちゃ偉い!
カオルさんの周囲で起こることって何気ないことなんですよね。私達に起きても不思議ではないことばかり。だから共感できる。
なので「自分がカオルさんと同じ状況なら、どうしてたかなぁ」とか思いながらみてみるとけっこう面白いですよ。
例えば車に水をかけられて「あーあ」ぐらいで済ませてるカオルさんですが、私ならもっと怒ってます(笑)
リラックマの生き方から学べるもの
<リラックマの特徴>
- 大らか
- 自由気まま
- マイペース
- 優しい
リラックマのキャラは、本作で始めて知ったのですが、めちゃくちゃ憧れる生き方をしてると思いました!
寝て、食べて、寝るっていう(笑) それも心惹かれるものがありますが、良いなと思ったのは気楽さなんですよ。
私自身が「~しなきゃ」と普段から考えがちなので、肩の力を抜いて生きるという部分には考えさせられましたね~。
思うように行かなくて疲れちゃう時ってありますよね。でもリラックマを見てると、「そんなに気にしなくても良いのかな?」とか「もうちょっと気楽に考えてみても良いのかも?」と思えて来ます。
たぶんカオルさんも、リラックマと一緒にいるうちに「気楽な生き方」を学んでるのではないでしょうか。
今は忙しい人が多く、時間に追われて、余裕をなくしがちですよね。自分のことで精一杯。そんな現代人だからこそ、見てて響く作品だと思いました。
可愛さもリラックマの魅力ではありますが、ゆったりとした気持ちをみんなに与えてくれる存在なんです。さすが、長年愛され続けてるキャラクターなだけありますね!
コマ撮りで表現される世界が素晴らしい!
メイキング映像を見るかぎり、作るのが物凄く大変そうです!
「こんな風に作られてるんだぁ」と勉強にもなりました。一つ一つ人形を動かして撮影されているのですが、セットの作り込みがとてつもないです。
ただ見ているだけでも楽しい作品なんですよね。四季も表現されていて、桜やアジサイなどの花々、雨、虹、雪などが美しく描かれています。
そしてリラックマ達もちょこまか動いてくれてめちゃくちゃ可愛いのです! あの愛らしさは、コマ撮りだからこそ出せたのではないでしょうか。
リラックマ達とカオルさんの不思議な関係
どういう経緯で共同生活をすることになったのか不思議だったのですが、もはや家族です。
カオルさんがすごく羨ましい! 家帰ったらリラックマ達が出迎えてくれるとか、幸せすぎる(笑)
周りだけが上手く行ってるように感じられることってあります。でも、カオルさんはカオルさんで羨ましい部分ってあるんですよね。
自分のことになると、急に見えなくなっちゃうのかな。
リラックマ達も本当に優しいんです。カオルさんのためを思ってくれてるのがすごく伝わってくるんですもん。見ていて「なんて健気なんだっ!」とめちゃくちゃ心打たれました。
関係性で面白いなぁと思ったのが、カオルさんと正反対の性質を持ったキャラがリラックマってところなんですよ。
物語の中で主人公とは真逆の価値観や考え、性格のキャラが登場したりします。
よく敵キャラやライバルとして登場したりするイメージなのですが、本作では主人公の最大の味方というポジションなのが作品としても面白いなと感じた点でした。
カオルさんはリラックマ達とのコミュニケーションで、自分には今までなかった価値観を知って、確実に成長してると思います。
お互いを大切に思い合う温かな関係性なので、そこも本作の魅力なんですよ~。観てて羨ましいと思いつつ、ほんわか優しい気持ちになれます。
『リラックマとカオルさん』の気になったところ
物語の中心人物はカオルさん
カオルさんを主軸としたお話なので、リラックマ達が中心とした内容ではないのです。
どちらかというとカオルさんを精神的に支える役割ですかね。
リラックマ達のほのぼのとしたお話だと思ってみてみると「思ってたのと違う…」となるかもしれません。
個人的には予告映像を視聴して、リラックマ達と現代社会を懸命に生きる女性がどう絡むのかにも興味を持ったのですが、人によっては気になるかもしれないですね。
『リラックマとカオルさん』のまとめ
じんわりとした温かさ、癒し、前向きさを与えてくれる作品でした。
人によっては解釈が変わりそうな作品でもありますよね。
興味を持った方は是非観ていただきたいです。そして皆さんの感想も是非知りたいですね! ちなみにNETFLIXオリジナル作品ですので、NETFLIXでのみ視聴出来ますよ。
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